ヨーロッパの中心に位置するスイスは、雄大なアルプス山脈、美しい湖、中世の街並み、そして精密な時計産業で知られる魅力的な国です。
マッターホルンやユングフラウ、レマン湖などの自然美、チューリッヒやジュネーブなどの洗練された都市、そしてチーズフォンデュやチョコレートなどのグルメが、世界中の旅行者を魅了しています。
日本からは約12〜13時間のフライトでアクセスでき、四季折々の美しい風景を楽しめる一年中魅力的な旅行先です。
しかし、快適なスイス旅行を実現するためには、標高の高い山岳地帯の気候、季節による寒暖差、アウトドアアクティビティへの対応など、適切な準備が欠かせません。
本記事では、スイス旅行に必要な持ち物を、必需品から季節別の衣類、登山・ハイキンググッズまで、詳しく解説していきます。
初めてのスイス旅行でも、リピーターの方でも、この記事を参考にして完璧な準備を整え、アルプスの絶景と豊かな文化が楽しめるスイスでの最高の時間を過ごしてください。
スイス入国に必要な書類
スイスはシェンゲン協定加盟国であり、ヨーロッパの他の多くの国と共通の入国ルールが適用されます。
日本国籍の場合、観光目的での短期滞在にはビザが不要ですが、いくつかの重要な書類を準備する必要があります。
スムーズな入国審査を実現するために、必要な書類をしっかりと確認しましょう。
パスポートと有効期限
スイス旅行において最も重要なのが、有効なパスポートです。
日本国籍の場合、スイスへの観光目的での滞在は90日以内であればビザ不要で入国できます。
・パスポートの有効期限は、スイス出国予定日から3ヶ月以上残っていることが必須条件
・シェンゲン協定加盟国共通のルールとして、この3ヶ月という期間は厳格に適用される
・パスポートの発行日から10年以内であることも求められる
・パスポートの査証欄(ビザページ)に十分な余白があることも確認しておく必要がある
・入国スタンプを押すスペースが必要なため、最低でも見開き2ページ以上の余白があることが推奨される
パスポートのコピーを別に持参するか、スマートフォンで顔写真ページを撮影しておくことで、万が一の紛失時にも対応しやすくなります。
スイスでは、ホテルのチェックイン時にパスポートの提示を求められることが一般的であるため、常に携帯できるよう準備しておくことが重要です。
また、スイスからイタリアやフランスなど、隣接する国へ日帰り旅行をする予定がある場合も、必ずパスポートを携帯する必要があります。
航空券と旅行日程の確認書
スイス入国時には、帰国便または次の目的地への航空券を所持していることが確認される場合があります。
往復航空券を予約している場合は、Eチケット控えを印刷して持参するか、スマートフォンに保存しておくことが推奨されます。
・復路便の便名、出発日時、航空会社名などを記載したメモを作成しておくことで、口頭で質問された際にも迅速に答えられる・ホテルの予約確認書も、英語または現地語(ドイツ語、フランス語、イタリア語)で印刷またはスマートフォンに保存しておくと、滞在先を証明する際に役立つ
・スイスの入国審査は、他のヨーロッパ諸国と同様に比較的スムーズだが、準備をしっかりしておくことで、さらに安心して手続きを進められる
・鉄道パス(スイストラベルパスなど)を購入している場合は、その確認書も持参すると、旅行の計画性を示すことができる
スイスは日本人に人気の観光地であり、入国審査でトラブルになることは少ないですが、万全の準備をしておくことで、スムーズな入国が可能になります。
特に、複数の国を周遊する旅行の場合は、全体の旅程表を英語で用意しておくと、入国審査官への説明が簡単になります。
海外旅行保険証
スイスは医療水準が非常に高い国ですが、外国人向けの医療サービスは極めて高額です。
ヨーロッパの中でも特に物価が高いスイスでは、医療費も非常に高額になるため、海外旅行保険への加入は必須といえます。
・クレジットカード付帯の保険もあるが、補償額が十分でない場合も多いため、別途手厚い補償の保険に加入することが強く推奨される
・特に、傷害治療費用と疾病治療費用の補償額は、最低でも1000万円以上、できれば無制限のプランを選ぶことが理想的
・スイスでは、登山やハイキング、スキーなどのアウトドアアクティビティ中の怪我のリスクもあるため、これらの活動も補償対象に含まれているか確認する
・山岳救助にかかる費用は非常に高額(数十万円から数百万円)になることもあるため、十分な補償がある保険が必須
・保険証券は印刷して持参し、緊急連絡先の電話番号をスマートフォンに登録しておくことで、万が一の際に迅速に対応できる
スイスでは、ハイキング中の転倒や捻挫、標高の高い場所での高山病、冬季のスキー中の怪我などのリスクがあります。
また、急な天候の変化による低体温症なども発生しやすいため、十分な補償がある保険は安心して旅行を楽しむための重要な投資です。
キャッシュレス診療が受けられる保険を選ぶことで、高額な医療費を立て替える必要がなくなります。
ETIAS(2025年以降)
2025年以降、日本国籍の旅行者がシェンゲン協定加盟国(スイスを含む)に入国する際には、ETIAS(エティアス)と呼ばれる電子渡航認証システムの事前申請が必要になる予定です。
これは、アメリカのESTAに相当するシステムです。
・ETIASは、オンラインで申請でき、承認には通常数分から数日かかる
・申請には7ユーロの手数料がかかり、クレジットカードでの支払いが必要
・承認されたETIASは3年間有効で、その期間内であれば何度でもシェンゲン協定加盟国に入国できる
・パスポートを更新した場合は、新たにETIASの申請が必要になる
・導入時期や詳細については、出発前に最新情報を確認することが重要
ETIAS導入前(2024年現在)は、日本国籍の場合、ビザやETIASなしでスイスに入国できますが、導入後は必須となるため、最新情報を確認しましょう。
季節別の衣類と服装
スイスは、標高の違いや季節によって気候が大きく異なります。
低地の都市部と高山地帯では、同じ日でも気温が20度以上違うこともあるため、訪問する場所と季節に応じた適切な服装を準備することが重要です。
重ね着(レイヤリング)を基本とした服装選びが、スイス旅行の鍵となります。
春・秋のスイス旅行の服装
春(4月〜5月)と秋(9月〜10月)のスイスは、観光に適した季節ですが、気温の変化が大きく、朝晩は冷え込むこともあります。
重ね着できる服装を基本として、天候や気温の変化に柔軟に対応できる準備が重要です。
・長袖シャツやセーター、カーディガンなど、脱ぎ着しやすいアイテムを中心に選ぶ
・中厚手のジャケットやウインドブレーカーは必須アイテム
・低地の都市部では日中は暖かくても、朝晩や山岳地帯は冷え込むため、防寒対策を怠らない
・雨が降ることも多いため、撥水性のある上着を選ぶと安心
・ハイキングを予定している場合は、動きやすく速乾性のある服装を選ぶ
春と秋のスイスの平均気温は、低地で10〜20度程度、高山地帯では0〜10度程度です。
標高3000メートルを超えるユングフラウヨッホやゴルナーグラートなどの展望台では、真夏でも気温が氷点下になることがあるため、防寒着は必携です。
ベースレイヤー(肌着)、ミドルレイヤー(中間着)、アウターレイヤー(上着)の3層構造を基本とした重ね着スタイルが、温度調節に最適です。
夏のスイス旅行の服装
夏(6月〜8月)のスイスは、低地では温暖で過ごしやすい季節ですが、高山地帯では依然として涼しく、朝晩は冷え込みます。
日中と朝晩の寒暖差が大きいため、重ね着できる服装が基本です。
・Tシャツや半袖シャツなど、通気性の良い軽装が基本だが、長袖のシャツやセーターも必ず持参する
・朝晩や山岳地帯での気温低下に備えて、薄手のダウンジャケットやフリースがあると便利
・日差しが強いため、帽子やサングラス、日焼け止めは必須アイテム
・登山やハイキングを予定している場合は、速乾性のあるアウトドアウェアを選ぶ
・突然の雨に備えて、レインジャケットやレインコートも持参する
夏のスイスの平均気温は、低地で20〜25度程度、高山地帯では10〜15度程度です。
ただし、標高3000メートルを超える展望台では、真夏でも気温が0〜5度程度になることがあり、強風も吹くため、しっかりとした防寒着が必要です。
スイスの夏は、日本の夏に比べると涼しく、湿度も低いため過ごしやすいですが、日差しは非常に強いため、紫外線対策は重要です。
冬のスイス旅行の服装
冬(12月〜3月)のスイスは、本格的な寒さが訪れ、低地でも氷点下になる日が多くなります。
スキーリゾートとしても有名なスイスは、冬季のアクティビティを楽しむ旅行者も多いため、しっかりとした防寒対策が必須です。
・厚手のダウンジャケットやコートは必須アイテム
・マフラー、手袋、ニット帽などの防寒小物を忘れずに持参する
・ヒートテックなどの保温性の高いインナーを重ね着する
・雪が降ることも多いため、防水性のあるブーツや靴を選ぶ
・スキーやスノーボードを予定している場合は、スキーウェアやゴーグルも必要
冬のスイスの平均気温は、低地で-5〜5度程度、高山地帯では-10〜-5度程度です。
スキーリゾートや高山地帯では、-20度以下になることもあるため、本格的な防寒装備が必要です。
ただし、室内や電車内は暖房が効いていて暖かいため、脱ぎ着しやすい重ね着スタイルが理想的です。
スイスの建物は、寒さ対策がしっかりしているため、室内は非常に暖かいことが多いです。
登山・ハイキング用の服装と装備
スイスの大きな魅力の一つが、世界屈指の美しい山岳風景を楽しめる登山やハイキングです。
適切な服装と装備を準備することで、安全で快適にアルプスの自然を楽しめます。
・トレッキングシューズまたは登山靴は必須で、足首をしっかりサポートし、滑りにくいソールを持つものを選ぶ
・速乾性のあるアウトドアウェア(ベースレイヤー、ミドルレイヤー、アウターレイヤー)を重ね着する
・レインジャケットとレインパンツは、山の天候は変わりやすいため必携
・バックパック(20〜30リットル程度)に、飲み物、軽食、日焼け止め、救急用品などを入れて持参する
・登山用ストック(トレッキングポール)があると、膝への負担を軽減でき、バランスも取りやすくなる
スイスのハイキングコースは非常に整備されていますが、標高が高く、天候も変わりやすいため、準備は万全にする必要があります。
特に、標高2000メートル以上のハイキングでは、真夏でも防寒着が必要になることがあります。
また、スイスの山岳地帯では、携帯電話の電波が届かないエリアもあるため、地図やコンパスを持参することも推奨されます。
靴の選び方
スイス旅行では、訪問する場所や予定するアクティビティによって、適切な靴を選ぶことが重要です。
都市観光と山岳ハイキングでは、必要な靴が大きく異なります。
・都市観光には、歩きやすいスニーカーやウォーキングシューズが最適
・スイスの街は、石畳の道が多いため、クッション性のある靴を選ぶと疲れにくい
・登山やハイキングには、足首をサポートするトレッキングシューズや登山靴が必須
・防水性のある靴を選ぶことで、突然の雨や雪解け水で濡れた道でも快適に歩ける
・冬季のスイス旅行では、滑りにくいソールを持つブーツが推奨される
新しい靴を旅行のために購入する場合は、必ず事前に履き慣らしておくことで、靴擦れを防げます。
靴擦れができた場合に備えて、絆創膏や靴擦れ防止のテープも持参しておくと良いでしょう。
スイスは、一日に数キロから十数キロ歩くことも珍しくないため、靴選びは旅行の快適性を大きく左右します。
電子機器と通信手段
現代の旅行において、スマートフォンやカメラなどの電子機器は欠かせません。
スイスでも快適にこれらのデバイスを使用するための準備を整えましょう。
適切な通信手段を確保することで、地図の確認、レストランの検索、列車の時刻表確認など、様々な場面で便利に活用できます。
変換プラグと電圧の確認
スイスの電源プラグは、Cタイプ(丸ピン2本)が主流ですが、スイス独自のJタイプ(丸ピン3本)も使用されています。
変換プラグは必須アイテムであり、これがなければ電子機器の充電ができません。
・Cタイプの変換プラグを用意すれば、ほとんどの場所で使用できる
・スイス独自のJタイプも存在するが、多くのホテルではCタイプも使用できるユニバーサルコンセントが設置されている
・マルチタイプの変換プラグを選べば、スイス以外のヨーロッパ諸国でも使用できる
・電圧は日本の100Vに対してスイスは230Vと大きく異なるが、最近のスマートフォン、タブレット、ノートパソコン、デジタルカメラの充電器は、ほとんどが100〜240Vの全世界対応になっているため、そのまま使用できる
・充電器のラベルやマニュアルで「INPUT: 100-240V」という表示があれば、スイスでも問題なく使用できる
ドライヤーやヘアアイロンなど、高出力の電気製品は、日本国内専用(100V)のものが多いため、そのままスイスで使用すると故障や発火の原因になります。
ただし、ほとんどのホテルにドライヤーが備え付けられているため、持参する必要はありません。
複数の電子機器を充電する必要がある場合は、USB充電ポートが複数あるマルチポート充電器を持参すると、コンセントの数が限られている場合でも便利です。
インターネット接続の準備
スイスは、インターネットインフラが整った国で、高速で安定した通信環境が利用できます。
適切な通信手段を選ぶことで、快適にオンラインサービスを利用できます。
・ポケットWi-Fiのレンタルは、複数人で旅行する場合や、複数のデバイスを同時に接続したい場合に便利
・日本の空港で受け取りと返却ができ、スイス全域でインターネットが使用できる
・現地SIMカードは、SIMフリーのスマートフォンを持っている場合に利用でき、チューリッヒ空港やジュネーブ空港、市内の携帯ショップで購入できる
・Swisscom、Salt、Sunriseなどの大手キャリアのプリペイドSIMが一般的で、7日間のデータプランが20〜40スイスフラン程度
・eSIMは、物理的なSIMカードが不要で、オンラインで購入して設定するだけで使用でき、最近のiPhoneや一部のAndroid端末で利用可能
・携帯電話会社の海外ローミングサービスも利用できるが、料金が高額になる傾向があるため、事前に料金プランを確認することが重要
スイスのホテル、カフェ、駅などでは、無料Wi-Fiが提供されていることが多いですが、山岳地帯や列車内では電波が届かないエリアもあります。
オフライン地図をダウンロードしておくことで、インターネット接続がない状況でも地図を確認できます。
スマートフォンアプリの準備
スイス旅行を快適にするために、いくつかの便利なアプリを事前にインストールしておくことをお勧めします。
スイスは、公共交通機関が非常に発達しており、アプリを活用することで効率的に移動できます。
・SBB Mobileアプリは、スイス連邦鉄道の公式アプリで、列車、バス、船の時刻表検索やチケット購入ができる
・Google Mapsは、道案内だけでなく、レストランや観光スポットの検索にも使える
・Google翻訳アプリは、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の看板やメニューを撮影するだけで翻訳できるカメラ翻訳機能がある
・TripAdvisorやFoursquareなどのレビューアプリは、レストランや観光スポットの評価や口コミを確認でき、失敗しない店選びに役立つ
・XE CurrencyやCurrency Converterなどの通貨換算アプリで、スイスフランと日本円の換算がすぐにできる
スイス連邦鉄道のアプリは、スイス旅行において最も重要なアプリの一つです。
列車の時刻表がリアルタイムで更新され、遅延情報も確認できるため、旅行計画に非常に役立ちます。
モバイルバッテリーとカメラ
スイスの美しい風景を撮影したり、列車の時刻を確認したりと、スマートフォンの使用頻度が高まるため、モバイルバッテリーは必携です。
また、アルプスの絶景を高画質で残したい方は、デジタルカメラの持参も検討する価値があります。
・容量は10000mAh以上のものを選べば、スマートフォンを2〜3回フル充電でき、一日中安心して使用できる
・ただし、モバイルバッテリーは航空機の預け入れ荷物には入れられず、必ず機内持ち込み荷物に入れる必要がある
・複数のUSBポートがあるモバイルバッテリーを選べば、スマートフォンとカメラを同時に充電できて便利
・デジタルカメラやミラーレスカメラを持参する場合は、予備のバッテリーとメモリーカードも忘れずに持参する
・登山やハイキング中に美しい風景を撮影する機会が多いため、カメラのバッテリーは複数持参することを推奨
スイスの風景は、マッターホルン、ユングフラウ、レマン湖など、写真に収めたい絶景が数多くあります。
特に、朝日や夕日の時間帯は、アルプスが黄金色に輝く「アルペングリューエン」と呼ばれる現象が見られることもあり、カメラは必携です。
支払い手段と現金の準備
スイスは、ユーロ圏ではなく独自の通貨であるスイスフランを使用しています。
キャッシュレス化が進んでいる一方で、一部の小規模店舗や山小屋では現金が必要な場合もあります。
適切な支払い手段を準備することで、スイスでの買い物や食事がスムーズになります。
クレジットカード
スイスでは、VisaまたはMastercardのクレジットカードが広く使用でき、ほとんどの店舗やレストランで利用可能です。
最低2枚のクレジットカードを持参することで、万が一のカードトラブルにも対応できます。
スイスのホテルでは、チェックイン時にクレジットカードの提示が求められ、デポジット(保証金)として一時的に与信枠が確保されることが一般的です。
クレジットカードには、海外旅行保険が付帯しているものも多いため、所有しているカードの補償内容を出発前に確認しておいたり、カードの紛失や盗難に備えて、カード会社の緊急連絡先もメモしておいたりすると安心です。
また、クレジットカードの暗証番号を確認しておき、サインレス決済にも対応できるよう準備しましょう。
スイスは物価が非常に高い国であるため、クレジットカードの限度額に余裕があることを確認しておくことも重要です。
特に、スイストラベルパスの購入やホテルの支払いなど、高額な支払いが発生することも多いため、限度額を事前に確認しておきましょう。
現金とスイスフランの両替
クレジットカードが主流とはいえ、山小屋、小規模な店舗、一部の市場などでは現金が必要になります。
日本円をスイスフランに両替する方法は、日本国内の銀行や空港、スイス現地の両替所など、いくつかの選択肢があります。
・一般的には、スイス到着後、現地の銀行やATMで両替するほうが、レートが良い場合が多い
・チューリッヒ空港やジュネーブ空港には、両替所が多数あり、24時間営業のところもある
・ただし、空港の両替所はレートがやや悪いため、少額だけ空港で両替し、残りは市内の銀行やATMで両替するのが最も賢い方法
・旅行期間や予定によって異なるが、1週間程度の旅行であれば、300〜500スイスフラン程度の現金を用意しておくと安心
・スイスは物価が非常に高いため、日本円で3〜5万円程度に相当する金額が必要
スイスフランは、1フラン=約170円(2024年現在)で、物価は日本の2〜3倍程度です。
ミネラルウォーター1本が4〜5フラン、レストランでの食事が30〜50フランと非常に高額なため、現金の準備には注意が必要です。
また、スイスのATMでは、日本のクレジットカードやデビットカードを使用して現地通貨を引き出すこともできます。
国際キャッシング機能が付いたカードを持っていれば、必要な時に必要な金額だけを引き出せるため、大量の現金を持ち歩くリスクを避けられます。
ただし、ATM手数料やキャッシング手数料がかかるため、事前に自分のカードの手数料を確認しておくことが重要です。
ユーロの使用について
スイスは独自の通貨であるスイスフランを使用していますが、一部の店舗やレストランではユーロでの支払いも受け付けています。
ただし、おつりはスイスフランで返ってくることが多く、レートも不利になることがあります。
・観光地や国境に近い地域では、ユーロでの支払いが可能な店舗も多い
・ただし、レートは店舗が独自に設定しているため、公式の為替レートよりも不利になることが一般的
・おつりはスイスフランで返ってくるため、結局スイスフランが必要になる
・スイス旅行では、スイスフランを用意することを基本とし、ユーロはあくまで補助的に使用する程度に留める
・隣接するフランス、イタリア、オーストリア、ドイツへの日帰り旅行を予定している場合は、ユーロも少額持参すると便利
スイスとユーロ圏の国々を周遊する旅行の場合は、両通貨を準備しておく必要がありますが、スイス国内ではスイスフランが基本です。
クレジットカードを主に使用し、現金は最小限に抑えることで、両替の手間と為替リスクを減らすことができます。
登山・ハイキンググッズ
スイス旅行の最大の魅力の一つが、世界屈指の美しい山岳風景を楽しめる登山やハイキングです。
適切な装備を準備することで、安全で快適にアルプスの自然を楽しめます。
初心者向けのハイキングから本格的な登山まで、レベルに応じた準備が重要です。
トレッキングシューズと靴下
登山やハイキングにおいて、最も重要な装備がトレッキングシューズです。
足元の装備が不十分だと、怪我のリスクが高まるだけでなく、快適に歩くことができません。
・足首をしっかりサポートするハイカットまたはミドルカットのトレッキングシューズが推奨される
・滑りにくいソールを持つ靴を選ぶことで、岩場や濡れた道でも安全に歩ける
・防水性のある靴を選ぶことで、突然の雨や雪解け水で濡れた道でも快適に歩ける
・新しい靴を旅行のために購入する場合は、必ず事前に履き慣らしておくことで、靴擦れを防げる
・登山用の厚手の靴下を複数枚持参することで、足の疲労を軽減し、靴擦れも防げる
スイスのハイキングコースは非常に整備されていますが、岩場や急な坂道も多いため、しっかりとしたトレッキングシューズが必須です。
スニーカーやビーチサンダルでのハイキングは非常に危険であり、絶対に避けるべきです。
登山用の靴下は、クッション性があり、速乾性も高いため、長時間のハイキングでも快適に歩けます。
バックパックと装備
日帰りハイキングでは、20〜30リットル程度のバックパックに必要な装備を入れて持参します。
適切な装備を準備することで、安全で快適にハイキングを楽しめます。
・バックパックは、背面がクッション性があり、肩ストラップと腰ベルトがしっかりしたものを選ぶ
・飲み物(1〜2リットルの水)は必携で、脱水症状を防ぐためにこまめに水分補給する
・軽食(エネルギーバー、ナッツ、フルーツなど)も持参し、体力を維持する
・レインジャケットとレインパンツは、天候が変わりやすい山岳地帯では必須
・日焼け止め、サングラス、帽子で、強い紫外線から身を守る
・救急用品(絆創膏、消毒液、包帯、鎮痛剤など)も持参する
スイスの山岳地帯では、天候が急変することがあり、晴れていても突然雨や霧が発生することがあります。
レインジャケットは、防寒着としても機能するため、真夏でも必ず持参することが推奨されます。
また、標高が高い場所では、紫外線が平地の数倍強くなるため、日焼け止めは必須です。
登山用ストックと地図
登山用ストック(トレッキングポール)は、膝への負担を軽減し、バランスを取りやすくする便利なアイテムです。
特に、下り道では膝への負担が大きいため、ストックがあると疲労を軽減できます。
・登山用ストックは、伸縮式のものを選ぶことで、使わない時はバックパックに収納できる
・2本のストックを使用することで、バランスが取りやすくなり、転倒のリスクも減る
・スイスのハイキングコースには、案内標識が充実しているが、紙の地図やGPSアプリも持参すると安心
・携帯電話の電波が届かないエリアもあるため、オフライン地図をダウンロードしておく
・緊急時の連絡先(スイスの山岳救助隊の電話番号は144)をメモしておく
スイスのハイキングコースは、黄色の案内標識で示されており、目的地までの所要時間も表示されています。
この所要時間は、一般的な歩行速度(時速4キロメートル程度)を基準にしているため、初心者は余裕を持った計画を立てることが重要です。
また、スイスの山岳地帯では、夕方以降は気温が急激に下がるため、日没前に下山できるよう計画することが重要です。
サングラスと日焼け止め
標高の高い山岳地帯では、紫外線が平地の数倍強くなります。
適切な紫外線対策をしないと、目や肌に深刻なダメージを受ける可能性があります。
・サングラスは、UVカット機能が付いた質の良いものを選び、目を強い紫外線から守る
・偏光レンズのサングラスは、雪や氷からの反射を抑える効果があり、特に冬季や氷河を訪れる際に有効
・日焼け止めは、SPF50以上、PA++++の最高レベルのものを選び、2〜3時間おきに塗り直す
・唇も日焼けしやすいため、UVカット機能付きのリップクリームを持参する
・帽子は、つばの広いものを選ぶことで、顔全体を日差しから守ることができる
標高3000メートルを超える場所では、紫外線は平地の約2倍になるといわれています。
雪や氷からの反射もあるため、目や肌への負担が非常に大きくなります。
特に、ユングフラウヨッホやゴルナーグラート、マッターホルン・グレーシャー・パラダイスなどの高山展望台を訪れる際には、万全の紫外線対策が必要です。
スイス特有の便利グッズ
スイス旅行をより快適にするために、現地の環境や文化に特化した便利グッズを準備しましょう。
これらは必須というわけではありませんが、持っていると様々な場面で役立つアイテムです。
アルプスの自然を満喫し、スイスの文化を楽しむための準備をしましょう。
スイストラベルパスの活用
スイストラベルパスは、スイス国内の鉄道、バス、船を乗り放題で利用できるパスで、スイス旅行には非常に便利です。
事前に購入しておくことで、現地でのチケット購入の手間が省けます。
・3日、4日、8日、15日の有効期間から選択でき、連続した日数での利用が基本
・スイス国内のほとんどの鉄道、バス、船が乗り放題で、パノラマ列車(グレーシャー・エクスプレス、ベルニナ・エクスプレスなど)も座席予約料のみで乗車可能
・多くの美術館や博物館が無料で入場でき、登山鉄道やロープウェイも50%割引で利用できる
・購入は日本国内の旅行代理店やオンラインで可能で、スマートフォンに電子チケットとして保存できる
・スイスパスを持っている場合、列車やバスに乗る際にチケットを購入する必要がなく、そのまま乗車できる
スイスは交通費が非常に高額なため、複数の都市を訪れる予定がある場合は、スイストラベルパスが非常にお得です。
例えば、チューリッヒからツェルマットまでの片道鉄道運賃だけで、100スイスフラン以上かかることもあります。
スイストラベルパスがあれば、こうした高額な交通費を気にせず、自由に移動できます。
マイボトルと携帯食料
スイスは、公共の飲料水が非常に清潔で、街中や登山道に設置された噴水の水も飲用可能です。
マイボトルを持参することで、ペットボトルの水を購入する費用を節約できます。
・保温・保冷機能付きのステンレスボトルを選べば、夏は冷たい飲み物を、冬は温かい飲み物を長時間保つことができる
・スイスの公共の噴水の水は、ほとんどが飲用可能で、「Kein Trinkwasser(飲用不可)」の表示がない限り、安全に飲める
・ペットボトルの水は1本5〜7スイスフラン(約850〜1200円)と非常に高額なため、マイボトルがあれば大幅に節約できる
・携帯食料(エネルギーバー、ナッツ、ドライフルーツなど)も持参すると、登山やハイキング中の栄養補給に便利
・スイスのレストランは高額なため、軽食を持参することで食費を節約できる
スイスの街中には、美しい装飾が施された公共の噴水が数多くあり、その多くが飲用可能です。
地元の人々も日常的にこの噴水の水を飲んでおり、非常に清潔で美味しい水です。
ただし、標高の高い山岳地帯では、雪解け水が含まれる噴水もあるため、飲用可能かどうかの表示を確認することが重要です。
エコバッグとショッピングバッグ
スイスでも、環境保護の観点からプラスチック製レジ袋の使用が制限されており、スーパーマーケットでは有料または提供されないことがあります。
エコバッグを持参することで、買い物が便利になります。
・折りたたみ式のコンパクトなエコバッグを、メインバッグの中に入れておけば、急な買い物にも対応できる
・スイスのスーパーマーケット(Coop、Migros、Dennerなど)では、スイスチョコレートやチーズなど、お土産に最適な商品が購入できる
・大きめのトートバッグやショッピングバッグがあると、複数の店舗で購入したものをまとめて持ち運べる
・特に、チョコレートやチーズなどのお土産を大量に購入する場合、エコバッグが必須
スイスのスーパーマーケットは、観光客にも人気のショッピングスポットで、リンツやトブラローネなどの有名ブランドのチョコレートが、日本よりも安価に購入できます。
エコバッグがあれば、これらの買い物が快適になります。
日本語のガイドブックやオフライン地図
スイスは、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4つの公用語があり、地域によって使用される言語が異なります。
英語も広く通じますが、日本語のガイドブックがあると、より深くスイスを楽しむことができます。
・日本語のガイドブックには、レストランの情報、観光スポットの詳細、鉄道の路線図など、有益な情報が満載
・最近では、電子書籍版のガイドブックも多く販売されており、スマートフォンやタブレットで閲覧できるため、荷物を減らすことができる
・紙のガイドブックは、列車やホテルでゆっくり計画を立てる際に便利で、電子機器のバッテリー切れの心配もない
・オフライン地図(Google MapsやMaps.meなど)を事前にダウンロードしておくことで、インターネット接続がない山岳地帯でも地図を確認できる
・小型のメモ帳とペンも持参しておくと、旅行中の思い出や感想をその場でメモしておける
スイスは、マッターホルン、ユングフラウ、レマン湖、ルツェルンなど、多彩な観光スポットがあるため、計画的に回ることが重要です。
ガイドブックがあれば、効率的に観光を楽しめます。
まとめ
スイス旅行を快適に楽しむためには、パスポートと入国書類、海外旅行保険、支払い手段などの必需品を確実に準備することが基本です。
季節や訪問する場所によって気温が大きく異なるため、重ね着を基本とした服装を準備し、特に登山やハイキングを予定している場合は、適切なアウトドアウェアと装備が必須です。
電子機器については、Cタイプの変換プラグが必要で、インターネット接続の準備やSBB Mobileアプリのインストールなど、スイスならではの準備も重要です。
登山・ハイキンググッズとして、トレッキングシューズ、バックパック、レインジャケット、日焼け止めなどを準備することで、安全で快適にアルプスの自然を楽しめます。
スイストラベルパスやマイボトル、エコバッグなど、スイス特有の便利グッズを持参することで、現地での体験がより充実したものになります。
本記事で紹介した持ち物リストを参考に、自分の旅行スタイルと予定に合わせた準備を整えて、雄大なアルプスと美しい湖、洗練された都市が楽しめるスイスでの最高の時間を満喫してください。
世界屈指の美しい自然と高い生活水準を誇るスイスでの忘れられない思い出を、万全の準備とともに作り上げてください。
グリュッツィ(こんにちは)の挨拶とともに、素晴らしいスイス旅行をお楽しみください。

